源氏物語12帖 「須磨」より

光源氏
落差増す草も枯れなば闇の地の宮離れかも咲く須磨桜

らくさますくさもかれなばやみのちのみやばなれかもさくすまさくら

宿知らず水面ちる雪けさの海の避け来ゆる地も波辛しとや

やどしらづみなもちるゆきけさのみのさけきゆるちもなみつらしとや

わび住まい吉備に貧しきけさの海の避け来し須磨に弾き居ます琵琶

わびすまいきびにまずしきけさのみのさけきしすまにひきいますびわ

 

源氏は朧月夜と右大臣の屋敷で一夜を過ごすが、明け方嵐になってしまい、帰るに帰れないでいるところを右大臣に見つかってしまう。

朧月夜は右大臣の六の君で、内侍として入内が決まっていた。

右大臣はその事を弘徽殿の女御に話してしまう。

弘徽殿の女御は激怒、源氏は罪を逃れるため自ら役職を辞し須磨に退居する。

須磨は海風も強く、粗末な屋敷を吹き抜ける、都育ちの源氏には耐えられない過酷な地だった。

「須磨桜」は与謝野晶子の造語。

源氏物語もこのあたりまで読み進めると人間関係が分からなくなってくる。

この辺で挫折する人が多く、それを「須磨帰り」と言う。

何しろ登場人物は全編通じると400人以上、しかも本名は一切無く役職名などで出てくるので、物語が進むにつれて違う呼び方になる。同一人物の呼称が3つも4つもあるなんていうのはざらである。

 

 

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