源氏物語54帖 「夢の浮橋」より

然れどもやはり嘆かば行くも来も悔ゆ葉陰なり早戻れかし

しかれどもやはりなげかばゆくもくもくゆはかげなりはやもどれかし

薫と浮舟に
別るさえ固き懐かし対の身のいつしか繋ぎ違えざる川

わかるさえかたきなつかしついのみのいつしかつなぎたがえざるかわ

 

源氏物語は全54帖、「夢の浮橋」をもって幕を閉じる。

しかし実際に読んでみて何となく物足りなさを感じるのは私だけでは無いと思う。

本当はまだ続編が有ったのではと思えてしまうほど素っ気ない結末である。

私が源氏物語を読む切っ掛けになったのは、回文での友人の木村先生と徳永未来さんに勧められてのことだった。

木村先生は専門はフランス語の教授だが、源氏物語への造詣が深く、その関連本、演劇、漫画、映画、絵画、工芸その他あらゆる分野での源氏関係のもの全てに論評をされている。

専門家にも負けない驚くべき読書量で、知識の量も計り知れない。

その木村先生はこの源氏物語の終わり方について、「僕は違和感がないし好きだ」と言っていた。

物語では薫は浮舟の弟を使者にして、浮舟に戻るように説得するのだが、浮舟は応じない。

薫は浮舟と再会することなく物語は終わってしまう。

最期の「薫と浮舟に」と題した回文歌は、私から二人に捧げた歌で、願望も入っている。

 

 

 

 

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